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”生理的な原因” 以外の飛蚊症(ひぶんしょう)


〜 生理的な原因以外の原因で発生する症状について 〜

眼病(後部硝子体剥離)が原因のもの

飛蚊症には生理的なものと、眼病が原因で起こるものがあります。

生理的の場合は、今すぐ重大な症状になることはありませんが、放置すると組織の変質が進行し、

・後部硝子体剥離
・網膜裂孔

といった眼病が発症して失明する危険性もあるので要注意です。

このメカニズムは、以下の通りです。

 1.硝子体が変質して硝子体の繊維組織が壊れる
 2.これにより水の塊ができる
 3.この水の塊が徐々にに巨大化し、硝子体全体が収縮、
   やがて網膜との接触部分からしだいに剥離する。

上記の結果、「後部硝子体剥離」となることがあります。




眼の構造

≪後部硝子体剥離が発生≫
硝子体膜に輪状のシワがある

後部硝子体剥離

≪古い後部硝子体剥離≫
輪状のシワが点になる



硝子体が網膜から剥離する際に、網膜の表面にある毛細血管を引張り、血管が破れて出血が起こります。

この時に飛蚊症が発生するのです。


この「後部硝子体剥離」は、とくに近眼の人に発生しやすく、その中でも女性に多く見られます。

従来、50歳以上の人に多いといわれていましたが、生活環境の変化で最近では20代でも発生しています。

目の構造

眼病(網膜裂孔)が原因の飛蚊症

前途の「後部硝子体剥離」 が起こる際、20%程度の割合で 「網膜裂孔」が起こります。

「網膜裂孔」とは、剥離しかかっている硝子体が網膜と強く癒着していると、引張られた網膜の組織が裂けて孔が空いてしまう病気です。

このとき、”網膜の毛細血管”が破れて出血することによって、激しい飛蚊症が起こります。

この他にも、ぶどう膜炎や眼底出血でも飛蚊症が起こります。

とくに恐いのは「網膜剥離」で、放置すると失明の危険性が高くなります。




光ったり、視野が欠けると要注意

明るい空や白い壁を見た際、≪気づいたら飛蚊症≫という人がほとんどで、いつ発症したのかはよくわかりません。

見え方は人それぞれで、主に下記のように見えます。

 ≫ 虫が四方八方に飛んでいる
 ≫ もやーっとした煙りのようなものが浮かぶ
 ≫ 糸くずや黒い点のようなものが浮遊する

浮遊物の色は、透明の場合や白色、時には黒く見えます。



網膜裂孔や網膜剥離の場合、突然に浮遊物が現れ、 鮮明で常に見える状態になります。 また、剥離する直前に”ピカピカ”と光るものが見えることもあります。

網膜剥離が進行すると、目の隅のほうから視野が欠け、 見える範囲が狭まってきます。ここまで進行する前に、医者に行かねばなりません。



眼底検査と飛蚊症について

飛蚊症には、放置してもしばらくは支障のないものと、 重大な病気の前触れである場合があります。 その違いをどう見分けるのでしょうか。



症状がひどくなってきたときには、必ず眼科で検査を受けることが重要です。 眼科では視力や視野検査、目の精密検査が行われますが、 最も重要な検査は”眼底検査”です

”眼底検査”とは、検眼鏡を使って瞳孔から眼球の奥の網膜の状態を調べるものです。

眼底検査

「後部硝子体剥離」のみであれば、まださほど危機な状態ではありませんが、硝子体と癒着した網膜が引っ張られているような場合は、 すぐに治療する必要があります。

網膜裂孔や網膜剥離が認められれば、すぐに手術します。



眼底検査の結果、生理的なものと判定されれば、過度に心配せず、慣れるように努力しなければなりません。生理的な原因によるものには治療法がないのです。

徐々に気にはならなくなりますが、浮遊物が消失することはありません。

飛蚊症の原因が「生理的」なものか、 病気の前触れなのかをチェックすることが重要です。

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